対数微分法
概要
対数微分法とは、の導関数を求めるときに、の微分を経由して求める方法である。
例題
例えば、次の関数を微分することを考える。
$$f(x)=x^x$$
これを微分する前に、自然対数をかけたものの微分を考えてみる。
$$\log{f(x)}=x\log{x}$$
より、
$$\frac{d}{dx}\log{f(x)}=1+\log{x}$$
$$\frac{d}{dx}\log{f(x)}=\frac{f'(x)}{f(x)}$$
よって、
$$f'(x)=f(x)(1+\log{x})$$
というように求めることができる。しかし多くの場合はなぜこのような方法で求めることができるのかで詰まりがちになってしまう。この記事では、他の視点からの説明を1つ紹介する。
合成関数としての対数微分
関数を微分する前に、この関数を以下のような形式に変換する。
$$f(x)=e^{\log{f(x)}}$$
は互いに逆関数の関係であるためこのような変換ができる。
このあととしてみると、
$$f(x)=e^{F(x)}$$
となる。これを合成関数として捉えて微分するということを考えてみよう。すると、
$$\frac{d}{dx}e^{F(x)}=F'(x)e^{F(x)}$$
$$f'(x)=f(x)F'(x)$$
という形になる。は共に比較的求めやすい形になるため、こうしての微分を求めやすい形で表すことができた。
具体例でやってみよう。例えば、としてみると、
$$f(x)=e^{x\log{x}}$$
となる。これについて合成関数の微分をしてみると、
$$g(x)=e^x,h(x)=x\log{x}$$
となるため、
$$\frac{d}{dx}g(h(x))=h'(x)g'(h(x))$$
であり、
$$g'(x)=e^x,h'(x)=1+\log{x}$$
であることから、
$$=(1+\log{x})e^{x\log{x}}=x^x(1+\log{x})$$
というように求めることができる。