ボルツァーノ=ワイエルシュトラスの定理
概要
有界な数列は収束する部分列を持つ、ということを主張している定理である。この定理を証明するにあたって、
で紹介した定理を使っているのでその記事を参照するといいだろう。
また、部分列とはであって、を満たす自然数列に対して、というように定めたものである。数列は自然数から実数への関数とみなすことができるが、これに自然数から自然数への関数を適用させたものとの合成写像とみなすこともできる。
証明
は有界であるため、常にとなるような区間が存在する。ここで、有界閉区間の列を次のように定める。
- は、としたときに、とのうち、の項が無限個入っている方を採用する。両方の区間にが無限個入っている場合はどちらを採用しても構わない。また、となるようにも定める。
このとき、を、かつとなる最小の自然数と定義すると、この部分列は収束する。何故ならば、このとき任意の自然数に対して
$$a_k\lt x_{n_k}\lt b_k$$
という不等式が成立するのだが、は有界で単調増加(減少)な数列であるため収束することがわかり、さらに、より、というように同じ値に収束する。よってについても、はさみうちの原理を適用させることで、同じくに収束することがわかる。よってこのような方法によって収束する部分列を取ることができた。(証明終わり)